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関東
ルポ

都会と田舎の比重を自由に設定!(千葉県南房総市)

「都会の喧騒から離れて、自然豊かな地域で暮らしたい。」

都会で暮らしていると、一度はそんな希望を抱いたこともあるだろう。その一方で、都会の生活に慣れてしまい、全く勝手が異なる環境で、果たして暮らしていくことが出来るだろうか。そんな不安を拭いきれないまま、結局都会暮らしを続けてしまっている人も多い。

ただ、確かに都心は高い建造物やアスファルトばかりだが、都心から少し離れれば、まだまだ自然豊かな地域が、意外に多い。東京ですら、23区内はともかく、奥多摩など西部に行けば行くほど、「ここも東京都!?」と思うほどの地域が、まだまだ残っている。

そして、そんな都心近郊の「ほど近い田舎」での生活を志向する人が、最近増えているという。

そこで今回は、「ほど近い田舎」として関心が高まっている、千葉県南房総市を訪れることにした。

 

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今から数十年前、東京出身の筆者が、子どもの頃に東京から南房総へ行くといったら、半日がかりだった。しかし東京湾アクアラインの開通や高速道路の延伸によって、現在では東京駅から高速バスに乗り、わずか70分ちょっとで千葉県南房総市に到着し、隔世の感を覚えた。

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市内各所に高速バスの停留所がある。(写真は「道の駅とみうら枇杷(びわ)倶楽部」)

南房総市は、房総半島の南端に位置し、西側は東京湾、南・東側は太平洋に囲まれており、内湾と外洋、浅海と深海、暖流と寒流といった対照的な要素を併せ持つ。したがって浅海で波が穏やかな内湾は子ども連れの家族が、波が高い外洋ではサーフィンや釣りを楽しむ人たちが多い。

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また沖合を流れる暖流の影響により、冬は暖かく、夏は涼しい海洋性の温暖な気候であることから、野菜や果実、花卉などの園芸が盛んな地域であり、びわや苺、ミカンやブドウといったフルーツ狩りを楽しむレジャー客が、1年を通して途切れることはほとんどない。

そのなかでも特にびわは、南房総市が本州最大の産地である。というのも、びわは霜に弱く、マイナス3度以下になると花が凍ってしまうため、本州でびわを栽培するのに適した環境が、ほとんどないのだ。そんなびわ栽培が盛んな地域であることは、つまり本州有数の温暖な気候と言えるだろう。

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そして何度もレジャーを楽しみに南房総市に来るうちに、「いっそのこと住もう!」と移住してくる人も多いという。以前は、アウトドアを堪能したい若者や、リタイア後のシルバー層が中心だったが、最近は小さな子どもを持つ若年層世代も増えてきているそうだ。

旦那さんが、趣味のサーフィンを楽しめる環境で田舎暮らしをしたいと希望していたことから、2008年に南房総エリアに東京から移住してきた藤井美津子さん(写真)。移住してきた当時は、まだ子どもはいなかったが、いずれ授かったときには田舎で子育てしたいと思っていたので、旦那さんが移住を口にしたとき、特に異論はなかったという。

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その後二人の子どもを授かり、現在南房総市で子育てをしているが、「移り変わる季節の花々や景観、旬を感じる農産物、季節ならではのイベントなど、子どもが小さなうちから、季節の移り変わりを楽しく感じ、学ぶことは、貴重な体験なのではないかと思います。」と、この環境に満足している。

また自然環境に加えて、南房総市では、幼稚園および保育所が一体となった「子ども園」の整備を進めており、現在市内に2か所の子ども園があるほか、全国初となる保育所から中学校まで一貫の子ども園の建設も進められているなど、子育て環境の充実を図っている。

「幼稚園と保育園とで世代の違う子どもが同じ施設にいることで、下の子どもを思いやる気持ちや、上の子どもたちを真似るなど、異世代交流ができるほか、特に幼稚園児と保育所児と年齢が異なる子どもがいらっしゃる親御さんにとっては、一か所に預けられるのも大きいですね。」(三芳こども園・村田由恵園長)

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「三芳子ども園」の様子

その他にも、小さな子どもを持つ親同士で交流が図れるように、「南房総市子育て支援センター」ではさまざまな教室をおこなったり、随時相談に乗ったりするほか、有志のママ同士による子育て応援ネットワーク「あわぼぉんネット」を運営していたりするなど、さまざまな取り組みが行政・民間、それぞれで進んでいる。

 

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しかし移住するとなると、仕事をどうするかが大きな問題となる。従来、南房総市に移住してくる人たちの多くは、就農するか、地元企業へ就職するかなど、その選択肢は限られていた。そのようななか、南房総市では、移住を希望する人たちの仕事の選択肢を広げようと、「仕事づくり」に向けて動き出した。

その一つが、廃校となった小学校跡地を利活用したシェアオフィス「シラハマ校舎」だ。

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小学校跡地を利活用したシェアオフィス「シラハマ校舎」。宿泊設備も兼備されるほか、校庭は菜園として利用される予定だ。

最近は、豊かな自然環境と整備されたインターネット網を売りに、シェアオフィスやサテライトオフィスの誘致を進めている地域も、全国的に増えている。

一方、地方のシェアオフィスに入居するフリーランス・起業家や、サテライトオフィスを開設する企業も、仕事の発注元は都市部の企業が多く、営業活動は都市部で行わざるをえないため、結局は何度も都市部に出張したり、都市部に営業拠点を構えていたりするケースも多い。

しかし南房総市の場合、他の地域が売りにする、自然環境やインターネット環境はもちろん、都市部へのアクセスも便利なので、営業活動と、開発・制作などのクリエイティブ業務を両立することが可能だ。

「シラハマ校舎」は2016年9月にオープンしたばかりだが、既に何件かフリーランスや起業家、都市部のIT企業などの入居が決まり、今後も積極的に誘致を進めていくとのことだ。これにより、働く場所に制限されないフリーランスはもちろんのこと、起業家やサテライトオフィスの進出が進めば、幅広い業種・職種の雇用につながることが期待される。

 

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移住は人生の大きな決断であり、ネット通販のようにワンクリックで完結するものではない。したがって最近は、短期滞在してもらって、実際の暮らしを体験してもらう制度を用意している自治体も増えてきているが、そうは言っても、短期間で、大きな決断を迫られることに違いはない。

一方で南房総市であれば、都心から約70分と近距離なので、まずは休日に観光がてらに何度も訪問しながら、いろいろなエリアを見て回ることが出来る、そして気に入ったエリアを見つけたら、平日は都心で働き、休日は南房総市で過ごす。そんな二拠点生活(デュアルライフ)をするのも良いだろう。

そして、しばらく二拠点生活を続けて、本当にこの土地で暮らしたいと思ったら、そのときに南房総市の比重を高めていけば良い。

都会か田舎か、オール・オア・ナッシングではなく、一人ひとりの状況や志向に応じて、その比重を自由に設定する。南房総市ならば、そんなことも可能だ。

 

南房総市ホームページ(定住促進) http://www.city.minamiboso.chiba.jp/category/8-3-2-0-0.html

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本明明香さん(左)、田嶋有子さん

まず簡単に、こちらに移住してくるまでの経緯を教えてください。

(田嶋)東京で生まれ、大学も就職も東京近郊だったので、こちらに来るまでは、ずっと首都圏で暮らしていました。特に生まれたのが埋立地で、自然が全く無いような環境で育ったので、昔から田舎暮らしに憧れていたこともあり、新卒で入った会社を数年で辞めて、その後は農家さんのお手伝いや、リゾート地でのバイトなどをしていました。

そんな日々を過ごしていましたが、友人を訪ねて、南房総市に何度か遊びに来ているうちに、知り合いが増えていき、気づいたら移住を決めていました。地元の方が空き家を見つけてくださり、最初の頃は、東京とこちらを行き来しながらリノベーションし、完成とともにこちらに移ってきました。

(本明)私は千葉県市原市の出身で、こちらに来るまでは、主人の仕事の関係で、茨城県つくば市で暮らしていました。もともとお互いに農業に興味があったことや、子育ては田舎でしたいと考えていたことから、当初はつくば市に永住するつもりでした。しかし東日本大震災を機に、実家の市原市に近い、房総半島の南部に移ろうという話になりました。

 

こちらではどのように生計を立てているのですか?

(田嶋)移住してくるまでは、主人は東京の会社に勤めていましたが、主人もいつか農業をやりたいと希望していたので、こちらに来てからは、夫婦で一緒に農業をやっています。

(本明)うちも二人とも農業に関心があったものの、そんなに甘いものではないという不安もあり、主人は南房総市の企業に勤めることにしました。一方私は、就農支援制度を利用して農業研修を受けていたのですが、一番下の子が生まれたので、現在は育児に専念しています。

 

お子さんは何人いらっしゃいますか?

(本明)3人兄弟で、上が6歳、真ん中が4歳、そして一番下の子は1歳になります。

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(田嶋)うちは、小学1年生の男の子と2歳の女の子の二人います。上の子はようやく手が離れましたが、まだ下の子が小さいので、いろいろ大変ですが、待機児童がゼロなので、日中は子ども園に預けることが出来、助かっています。

 

こちらでの子育てはいかがですか?

(本明)こちらに来る前はアパートに暮らしていたのですが、子どもが泣いていると虐待しているのではないかと、隣人から疑われたこともありました(苦笑)。でもこちらでは、子どもが泣いていても、「子どもはそういうものだよね」と地域ぐるみで応援してくれるので、有り難いですね。あと海も山も近いので、遊び場に困ることはないですね。

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(田嶋)うちは近所が離れているので、子どもがいくら騒いでも、近所迷惑にならないのが良いですね。東京のマンションで子育てしている姉から、下の階の方から苦情を受けているなんて話を聞くと、大変だなと思います。ただ近所が離れているということは、友達の家に遊びに行くときには、車で送り迎えをしないといけないという面もありますけれど・・・(笑)。

(本明)確かにそういう面もあるので、子育て世代が増えて、もっと気軽に子ども同士が集まれる場所が増えると良いなと思います。

 

d44c8d7986ec2dc631057780e52cc450-300x247子育て世代同士の交流という点では、「あわぼぉんネット」という活動をされているそうですが、具体的にどのようなことをなさっているのですか?

(本明)出産をテーマにした映画の自主上映会をきっかけに団体が発足し、周辺地域の遊び場を地図にする活動をおこないました。そして地図作りが終わった後も、「遊び場やおすすめスポットの新しい情報や、イベント情報をリアルタイムで紹介出来ると良いね」という話になり、サイトを開設。現在は子育てに関する情報を紹介するブログをメインとした子育て応援サイトを運営しています。また、どうしても子育てって家にこもってしまいがちになるので、ちびっこ運動会や料理教室など、子育て世代が交流できるイベントも開催しています。

 

 

「あわぼぉんネット」のサイトを見て、「こんなところで子育てしたい」という人が増えると良いですね。それでは最後に一言ずつお願いします。

(田嶋)山付きの家を借りているのですが、手入れがすごく大変なことに、後になってから気づきました。実際暮らしてみて分かることも多いので、いきなり理想の移住生活を求めるのではなく、まずは少しずつ試してみるのが良いと思います。その点では、都心から近い南房総市は、ちょうど良いところだと思います。

(本明)東京は人口が多いので、いろいろな価値観の方がいらっしゃいますが、こちらは、この地域を子育て環境に選んだ者同士ということで、似たような価値観の方も多く、気軽に相談しやすい環境ですね。ぜひもっと育児仲間が増えることを期待しています。

 

有難うございました。

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<自然環境>

北側には県下最高峰の愛宕山(408メートル)をはじめ、富山(349メートル)など300メートル以上の山が連なっている。西側には東京湾、東側及び南側には太平洋と、三方を海に囲まれ、その海岸線は南房総国定公園に指定されている。

気候は、沖合を流れる暖流の影響により、冬は暖かく、夏は涼しい海洋性の温暖な気候で、海岸沿いのエリアは無霜地域である。

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温暖な気候を生かした野菜や果実、花卉などの園芸が盛んであり、びわ、みかんなどの果実、花卉の産地となっているほか、国内の酪農発祥の地でもある。また漁業も盛んであり、県下水産業の中心的地域として、さば、さんま、まき網、曳縄、いか釣りなどの漁船漁業に加え、定置、採海藻や各種養殖業が広く取り組まれている。

 

<アクセス>

東京から100キロメートル圏に位置し、東京および千葉市(県庁所在地)まで、それぞれ約70分の時間距離にある。

【自動車】東京・横浜方面へ、東京湾アクアライン経由で約70分(高速道路利用の場合)

【電車】東京駅まで約100分(特急利用の場合)

 

<生活環境>

市内各所にスーパーマーケットやコンビニエンスストアがあるほか、産直所で新鮮な野菜や魚介類を購入することもできる。また隣接する館山市や鴨川市には大型ショッピングセンターが、さらには車で40分ほどで首都圏有数の木更津市のアウトレットにも行くことが出来る。

医療面では、市内に病院・医院が約20か所あるほか、隣接する鴨川市には国内屈指の大手民間総合病院がある。

 

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千葉県南房総市

  • 海がある
  • 山がある
  • アウトドアスポーツが楽しめる
  • 温泉を楽しめる
  • 二地域居住に便利
  • 三大都市まで2時間以内
  • 医療・福祉施設がある
  • 仕事が見つけやすい
  • 農林水産業従事への支援がある
  • 育児支援がある
  • 住宅支援がある
  • 起業支援がある
  • 就職・転職支援がある
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