やりたいことを、住みたいまちで 〜運命の地域と出会える、移住情報サイト〜

8748d55d252cbb9c1528823204b1b74a
九州・沖縄
ルポ

ヤンバルクイナも認めた極上の大自然を舞台に新たなキャリアをスタート(沖縄県国頭村)

ヤンバルクイナが認めた極上の大自然

 

沖縄那覇空港から沖縄自動車道に乗り1時間半かけて名護市まで行き、名護市からはさらに海岸線をドライブすること約45分、ようやく国頭村に到着した。国頭村は村土の約8割を「やんばる」と呼ばれる森林が占め、その森林を囲むように海辺のエリアに計20の集落が点在する、沖縄本島最北端の村だ。

dsc_0439-1024x681

奄美から沖縄にかけての島々は大陸から離れて100万年以上経っていると考えられ、大陸では絶滅してしまったり、島ごとに独自の進化を遂げたりした珍しい生物が取り残されているが、そのなかでもやんばるはノグチゲラ、オキナワイシカワガエル、ヤンバルテナカコガネなど、この地域にしか生息していない生物も多い。

その代表格はやはり「ヤンバルクイナ」だろう。1981年に新種として発見されたヤンバルクイナは、赤いくちばしと脚、お腹の縞模様が特徴であるとともに、やんばるにはもともと肉食の哺乳類が生息しておらず敵から逃げる必要がなかったため、地上で生活しているうちに飛ぶための筋肉が退化し、いまでは世界でも珍しい「飛ばない鳥」になった。しかしヤンバルクイナは中南部で化石が発見されるなど、古くは中南部でも生息していたと考えられているが、現在では1,500羽余がやんばるにしか生息しておらず、絶滅危惧種に指定されている。

dsc_0407-1024x681

現在やんばるにしか生息していない理由はいくつか考えられ、本島北部は本島中南部とは異なる照葉樹林(イタジイ林)であるといった地質的要因や肉食哺乳類がいなかったことなどが挙げられるが、さらには沖縄戦による直接的な被害が少なかったことや、自然保護意識が高く土地開発が最小限に抑えられてきたことなどから、人の手がほとんど介在していない、ありのままの自然が残されていることもその大きな理由だろう。中南部も内地から見たら十分豊かな自然が残っているが、ヤンバルクイナから見たらやんばるの自然以外は本当の自然と認めてくれていないのかもしれない。

 

やんばるに魅せられて移住する人も

 

そんな“本当の自然”を求めて国頭村へ移住してくる人も多く、転居を繰り返しながら全国各地の自然を描いてきた菊田一朗さんは「気に入った土地に住み、描き切ったと達成感を覚えたら次の土地へ、という暮らしを続けてきました。今まで北海道や東北、北陸などに住んできましたが、どこもせいぜい2,3年でした。しかし10年前にここに来て以来、どれだけ描いてもまだまだ描き足りない、そんな渇望感で一杯で、こんな想いになったのはここが初めてですね。」とやんばるの自然にすっかり魅了されている。

dsc_0671-1024x681

またまるでジャングルに迷い込んだかのような空間を味わえるゲストハウス「空の間INDIGO」を運営する新屋望さんは「沖縄に来た当初は恩納村に住んでいましたが、ある日この空間のイメージが頭に浮かび、この空間を実現できる場所を探したところ、まさに大自然の厳かさと神秘性が同居したこの土地がイメージにぴったりでした。ここはまさに“生命力”を取り戻せる場所であり、宿泊される方も何かをしようというわけでもなく、都会の疲れを癒しに何もせずにただのんびりと時間を過ごそうといらっしゃる方が多いですね。」とこの地域が持つ力についてこう語る。

dsc_0550-1024x681

 

 

国立公園化・世界自然遺産登録に向けて

 

国頭村ではそんな“本当の自然”をきちんと保護し、後世に残していくために、国立公園化そして世界自然遺産登録(※)に向けて現在準備を進めている。(※)奄美大島・徳之島・沖縄本島北部(国頭村・大宜見村・東村)・西表島の4島が対象

そうしたなか、いざ登録されてからその受け入れ体制を作り始めては遅いため、国頭村では今からその準備を進めるべく、里山で早生樹種を育てて工芸材料として利用するクラフトマン(木工職人)を育成したり、またやんばるの自然に精通していないとまともなガイド業務ができないため、エコツーリズムに向けた森林ガイドの育成も検討したりしている。

また自然保護の観点からは、もともとは中南部に生息していたマングースが近年はやんばる地域にまで侵入し始めていて、ヤンバルクイナをはじめ各種固有種の生態系への影響が懸念されることから、「やんばるマングースバスターズ」が結成されて北部からのマングースの完全排除に向けて取り組んでいる。

 

極上の素材を利活用した地域おこし

 

さらに今までもその自然環境のクォリティの高さから素材そのもので十分産業が成り立ってきたが、この素材を活かしてさらに地域の魅力を高めようと、30~40代の有志が集まって地域活性に向けて取り組む動きも出てきた。しかしメンバーは地元出身者が多いため、「地元では当たり前になっていることも多く、外から来た人の視点も欲しい」「素材の質の高さは絶対だが、それをどう見せるか、どう発信するか、そういうノウハウやスキルが地元にはあまりない」という声もあがっている。
dsc_0374-1024x681

一方都会で働く人間に聞くと「たとえ大きなプロジェクトに関わっても、さもするとその社会的意義が見出しづらい」「企業の看板の下ではなく、自らの経験やスキルで勝負したい」という若者も多い。

つまり地域にはスキルやノウハウが、都会では達成感や社会的意義がそれぞれ不足しているわけだ。そうしたなかで最近では都会で身につけた経験やスキルを持ったデザイナー、プログラマー、マーケッターなどが、新たな挑戦の場として地方にその可能性を見出すケースも出てきている。

例えるならば別々のところにいる新鮮な魚を獲ることが出来る漁師さんと、魚を美味しく調理することが出来る板前さんが、同じ場所でタッグを組みながらお互いの強みを活かすことで、その価値をさらに高めたり、新しい価値を創りだしたりする、そんな感じだろうか。

dsc_0423-1024x681

移住してきたデザイナーがVIを手掛けた、地元の漁師さんが営む食堂

そのとき地域には仕事がないとよく言うが、PCとインターネットがあればどこでも仕事が出来る今の時代、まずは都会の仕事で生計を立てながら地域活性に関わっていくことで、少しずつ地域での生計を大きくしていく、そんなスタイルも一つではないだろうか。

 

まずは大自然、そして地域コミュニティを肌で味わおう!

 

このように今後さまざまな動きが活発化してくる国頭村。この地域ならではの新たな経験やノウハウを身につけたい、今まで身につけた経験やノウハウを地域で役立てたい、そんな人にとって国頭村はこれ以上ない環境だろう。

そしてそんな人に向けて国頭村では移住希望者が体験滞在するためのゲストハウスを用意しているので、まずは実際に足を運んで、そしてやんばるの大自然や暮らしを身体で体験してもらいたい。

18b48dc8338bcf79b11c157757570c7b-1024x768

dsc_0328a-1024x681

ゲストハウスを拠点に、やんばるの森林はもちろん、ウミガメが産卵上陸するほどほぼ自然の状態のまま残されている一級品の海でアクティビティを楽しんだり、地元の漁師さんに同行して定置網漁を体験したり、また各集落を訪れて住民と交流したりしながら、ぜひ国頭村での暮らしをイメージしてはいかがだろうか。

dsc_0356-1024x681

地元の漁師さんの定置網漁の様子

 

国頭村「ヤンバルクイナの郷」 http://kuinapark.com/

dsc_0643-1024x681

徳田泰二郎さん(東京都出身 / 左)

 

まずは沖縄に移住してきたきっかけを教えてください。

東京で生まれて高校時代まで東京で過ごしましたが、小学生の頃にテレビから流れてきた沖縄の歌に訳も分からずに涙を流したことがありました。そこで親に聞いたところ、物心つく前に一時期沖縄に住んでいたことがあったそうです。きっと本能のどこかで沖縄の空気が染みついていたのでしょう。

なので大学は渡英しましたが、夏休みに帰国した際には沖縄でアルバイトをし、就職も沖縄でしようと考えました。

 

では就職を機に沖縄へ移住してきたのですね。

来た当初は宜野湾市で会社員をしていたのですが、当時まだ若かったこともありいろいろと世の中に不満を感じていて、何か社会に対して問題提起したいと次第に考えるようになり、そこで最終的に会社員ではなく農業の道へ進むことにしました。

 

それで国頭村へ移られたのですか?

農業に転身した当初は名護市で、廃棄物を発酵させて合鴨の餌にし、そして合鴨の糞を肥料とする循環型有機農法に挑戦しながら、パパイヤやドラゴンフルーツなどをハウス栽培していました。しかし次第にハウス栽培ではなく露地栽培をやりたいと考えるようになっていたときに、ご縁もあって国頭村へ移ってきました。

またこちらへ移ってきてからはコーヒー豆の栽培も始めました。それまで作っていたパパイヤは、どんなに品質を追求したところでどうしても野菜としか見てもらえませんでした。そうではなく品質を追求すればするほど人を魅了することが出来る、そんな“華やかな“素材を求めていたときにコーヒーに出合い、その可能性を感じたのです。沖縄は決してコーヒーづくりに適した地域ではないですが、国頭村は沖縄の中でも寒暖の差が激しく雨も多い地域ですので、ここでならば“華やかな”コーヒーをつくることが出来ると信じて取り組んでいます。

dsc_0516

“華やかな”コーヒーにはたどり着けましたか?

品質は世界でも通用するレベルまでに来ていると思いますが、まだきちんと流通させられるだけの量は生産できていません。しかしいずれ世界自然遺産登録後には新たな人の流れが生まれてくると思うので、例えばサトウキビ畑を営んでいる農家さんにもコーヒー豆の栽培を行ってもらうなど今から少しずつ広げていくことで、地元に新たな収益や雇用を生み出せるように、産業として成り立つだけの規模にしていきたいと思っています。

 

地域での暮らしはいかがですか?

最初は農環境に惹かれてこちらへ移ってきたのですが、住んでいるうちに集落が一つの社会として成り立っていることに魅力を感じるようになり、自分からどんどん入っていくようにしました。

相手のことが分からないと人は不安や遠慮を感じてしまいますので、早く知り合おうと毎日のように色々なところへ顔を出してはお酒を酌み交わしました。最初の頃は「もっと腹を割れ!」と怒られたこともありましたが、お酒の力も借りながら本音でぶつかっていくうちに、次第にお互いのことを分かり合える関係になることが出来たのではないかと思います。ここに来るまでは社会に対して反発していましたが、ここでならば社会の一員になれる、そんな想いになることが出来ました。

 

昨年から「共同売店」の運営も行っているそうですね。

この地域には集落ごとに共同売店があり、共同売店は日用品を購買するだけでなく、住民が集まって憩いあう、そんな集落の中心的な役割も担っています。

img_3377-1024x768

先代の方が引退されることになり、外から来た私を受け入れてくれた地域への恩返しの意味も含めて、共同売店を引き継ぐことに手を挙げました。正直住民の方がどう反応されるか不安もありましたが、表立った反対もなく、みんなで応援しようという雰囲気だったので、安堵するとともに期待を裏切ることは出来ないと身が引き締まる思いを感じました。

 

それでは最後に移住を検討されている方へメッセージをお願いいたします。

良いところも悪いところも含めて今の姿があり、今の姿を築いてきたのは何十年とその土地に住んできた人であることを忘れてはいけません。なので地域に入り込まずにあれこれ言うのではなく、まずは地域の一員に早くなろうと積極的に地域の方々と関わっていく、それが一番であり唯一であると思います。

 

有難うございました。

dsc_0516

 

国頭村は県庁所在地の那覇市から約100km、沖縄本島北部の中心都市名護市からは約30km、沖縄本島の最北端に位置する村で、東は太平洋、西は東シナ海に面し、村土の大部分が山林原野で占められている自然豊かな山紫水明の村です。

 

<自然環境>

沖縄本島最高峰の与那覇岳をはじめ、西銘岳、伊部岳を主軸とした雄大な緑の山々、大小30余りの清らかな河川をはじめ、沖縄島最北端の辺戸岬より西海岸にかけては沖縄海岸国定公園にも指定されるなど、自然景観に恵まれています。また村土の84パーセントが亜熱帯照葉樹林で覆われ、奥深い緑の国有林等には、ノグチゲラ、ヤンバルクイナ、ヤンバルテナガコガネ等、国指定天然記念物の宝庫です。

そして国頭村は、森の持つ癒しの効果が体験できる沖縄県で唯一か所「森林セラピー」の基地に認定された地域で、比地大滝 散策路、与那覇岳登山道、やんばる学びの森遊歩道、森林公園遊歩道の4つのセラピー道路が整備されています。

dsc_0538-1024x681 dsc_0581a-1024x681 dsc_04761-1024x681 img_3373-1024x768

 

 

 

 

 

 

0件九州・沖縄
Im area kyusyu

沖縄県国頭村

  • 夏が涼しい
  • 冬が暖かい
  • 海がある
  • 山がある
  • 交流・体験・お試し制度がある
  • 育児支援がある
8748d55d252cbb9c1528823204b1b74a

ルポ

ヤンバルクイナも認めた極上の大自然を舞台に新たなキャリアをスタート(沖縄県国頭村)

口コミ

0件

この自治体の移住情報へ

記事一覧に戻る