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北海道・東北
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なぜこの町に酪農家が集まるのか?(北海道広尾町)

北海道・とかち帯広空港でレンタカーを借り、ひたすら大平原の一本道を、南へ車を走らせること1時間ちょっと、十勝平野南部の海辺の町・広尾町に到着した。

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北海道の大地を貫くかのように延々と続く一本道

十勝管内の最南端に位置し、太平洋に面する広尾町は、農業王国とも言われる十勝管内で唯一の海の玄関口・十勝港があり、明治維新の北海道開道とともに、港町として栄えてきた。そして現在も、北海道と首都圏を最短距離で結ぶ港湾として、小麦・馬鈴しょなどの農作物を首都圏などへ積出するとともに、化学肥料・飼料・セメント・石炭などの受け入れを行う流通拠点となっている。

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また広尾町から襟裳岬方面へ向かう国道336号線、通称「黄金道路」沿岸はサーフポイントが多く、北海道の中では、冬も比較的温暖な地域であることから、1年を通じて道内外から多くのサーファーが集まってくる。女子高生プロサーファーの宮坂麻衣子選手も、千葉の親元を離れて、広尾町で下宿して高校に通っているほど、サーファーにとって魅力的なエリアだ。

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約30年にわたり、札幌からサーフィンをするために足繁く通い、ついには2015年秋に広尾町に移住して、地域おこし協力隊に着任した土本義和さん。 「サーフィンがきっかけで訪れているうちに、コンパクトにまとまったインフラ、資源の豊かさ、そしてこの町に暮らす住民の心の豊かさに惹かれて、余生はこちらで暮らしたいと思うようになりました。」と移住してきた理由をそう語ってくれた。

そんな海の恩恵に与る広尾町だが、「十勝平野は、日本の食糧基地とも言われ、畑作のイメージが強いですが、広尾町は海洋性の気候であり、霧が多いため、畑作にはあまり適していません。一方で夏は涼しく、冬は暖かいことから、広尾町の農業生産額の95%以上を酪農・畜産が占めるほど、酪農が盛んな地域です。」と広尾町役場企画課の宝泉大さんは言う。

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そして町内の酪農家の約半数は新規就農者であり、「広尾町で酪農したい」とわざわざ移住してくる人たちも多いそうだ。

「農協や町役場などが一体となって、積極的に新規就農者を受け入れていて、サポート体制もしっかりしていることから、広尾町で就農したいと移住されてくる方もいらっしゃいます。そして、移住してまで就農したいという方は、しっかり勉強・研修されたうえで、人生を賭けて就農されるわけですから、経営が安定しているところが大半です。」(広尾町役場企画課 長田吉弘さん)

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広尾町役場企画課 長田吉弘さん(左)、宝泉大さん

 

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そこで実際に広尾町に移住して、酪農を営んでいる人たちに話を聞くことにした。

青森県出身で、奥さんの実家が広尾町だったことから、この町で2015年秋に就農した砂子田義規さん(写真右)。青森県の実家も酪農家だったそうだが、酪農するならば、北海道のような広大な土地でやりたいと、昔から憧れていたと言う。

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「地域にもよると思いますが、本州の場合、土地を広げようと思っても、なかなか難しいですし、また農協も畑作向けの支援が中心で、酪農はあまり支援制度が充実していないところが大半です。その点北海道は、土地も広げやすいですし、支援制度も充実しているので、就農しやすい環境だと思います。」

そんな砂子田さんは、道内各地で酪農研修を受けたり、働いたりした経験があるが、就農するまで広尾町に来たことはなかったと言う。

「実際に来てみて分かったことは、帯広はもちろん、どこへ行くにもちょうど良い位置にあり、便が良いことですね。札幌も、多少時間は要するものの、ほぼ一本で行けますし。あとはイベントが多いので、町内の方と知り合う機会も多く、買い物先で顔を合わせることも日常的です。いろいろ道内の地域にいましたが、他の地域ではあまりなかったことですね。」

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また千葉県出身で、2009年に広尾町で就農した菊地亮太さん・亜希さんご夫妻(写真)は、就農するにあたり、十勝管内各地の農協を回ったが、そのなかでも広尾町の農協が最も親身に対応してくれたことや、支援制度が充実していたことから、広尾町に決めた。

「他の地域は、『こんなことをしたい』『こんな風にやりたい』と相談しても、大概まずは無難に始めることを薦められました。一方で広尾町は、うまく行かなければ、もちろん指導が入りますが、基本的には自分たちがやりたいスタイルを認めてくれて、その実現に向けてサポートしてくれます。そんなところは、他にはありませんでした。」(亮太さん)

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このように若い酪農希望者が集まる広尾町だが、実際に就農するにはどのような流れになるのだろうか、広尾町役場農林課の松田哲典さん(写真)に聞いた。ちなみに松田さんも移住者であり、福岡県出身で、北海道で就職、その後東京で暮らしていたが、北海道が忘れられずに舞い戻ってきた。

「まずは2年ほど、町内の酪農家さんのところで酪農の仕事を習得していただき、いざ就農する際には、離農された牧場を農業公社が一旦買い取り、リース料という形で無理なく払っていただきながら、自分たちの牧場として経営していただきます。その間、リース料の半額助成や就農給付金などの支援策も用意していますので、経済的に無理なく、就農することが出来るようにバックアップさせていただきます。」

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酪農に適した自然環境、新規就農で始めた若い酪農家が多いこと、そして二人三脚のバックアップ体制など、酪農を始めたいという人にとって、これ以上の環境はそうそうないだろう。

「北海道で酪農をやりたい」、そんな憧れを抱いている人は、ぜひ一度広尾町に足を運んでみてはいかがだろうか。

 

広尾町ホームページ / 移住のページ http://www.town.hiroo.hokkaido.jp/shoukai/ijuu/ijuu.html

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菊地亜希さん、亮太さん

 

お二人とも千葉県出身とのことですが、出会ったのも首都圏だったのですか?

(亜希さん)二人とも畜産に関心があったことから、帯広にある畜産大学に進学し、そこで出会いました。

 

首都圏出身にも関わらず、なぜ畜産に関心を覚えたのですか?

(亮太さん)地方の人が、テレビなどを観て東京に憧れると同じように、昔から北海道の牧場に漠然と憧れを持っていました。

(亜希さん)私は馬が好きで、北海道で動物に関わる仕事をしたいなと、子どものころから思っていたのがきっかけです。

 

大学卒業後、広尾町に来るまでは、どちらにいらっしゃったのですか?

(亮太さん)私は札内(幕別町)の牧場で、妻は大樹町の牧場でそれぞれ働いていました。

 

なぜ広尾町で牧場を持とうと思ったのですか?

(亮太さん)十勝管内各地の農協にいろいろ話を聞きに行ったのですが、広尾町の農協が一番親身になって対応してくれたことや、農協以外にも町役場の支援制度も充実していたので、最終的に広尾町に決めました。まずは町内の牧場で2年間実習し、2009年に念願の牧場を持つことが出来ました。

(亜希さん)広尾町は、夏は涼しく、冬も道内では暖かいほうなので、酪農に向いている気候であることや、放牧をしたかったので、地価が安いのも魅力的でした。

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農協の対応の良さが決め手だったとのことですが、具体的にどんな感じだったのですか?

(亮太さん)他の地域は、「こんなことをしたい」「こんな風にやりたい」と相談しても、大概まずは無難に始めることを薦められました。しかし、自分たちが望むやり方で牧場をやりたいと思ったから、牧場経営を目指したのであり、ただ酪農するだけならば、どこかの牧場に勤める形でも良かったわけです。

一方広尾町の場合は、親身になって、私たちの話を聞いてくれました。そして就農後も、うまく行かなければもちろん指導が入りますが、そうではない限り、自分たちがやりたいスタイルを基本的に認めてくれて、その実現に向けてサポートしていただいています。

したがって感謝の気持ちしか無くて、サポートしてくださっている方々の期待を裏切らないためにも、必死に取り組んでいます。

 

町民向けにイベントを開いていると伺いましたが、それも恩返しの一つなのでしょうね。

(亜希さん)就農からある程度経ち、少しずつ余裕が出来てくると、今度は町に恩返しをしたいという想いが芽生えるようになりました。そして、農家さんとの関わり合いは多いものの、それ以外の町民の方々とは、なかなか接点がなかったことから、牧場を開放して、第一次産業に興味を持ってもらう、そのきっかけになるようなイベントを開こうと考えました。

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地元の有志で構成された「ひろお未来塾」のメンバーにも協力してもらい、毎年、農業・林業・漁業とテーマを決めて、そのテーマに応じた体験イベントを中心に、食、音楽、雑貨販売など、とっつきやすい内容を絡めながら開催しています。

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では最後に今後の抱負をお願いいたします。

(亮太さん)広尾町民として生きていくと決意して、この町に牧場を持ったわけですから、やはり活気ある町にしていきたいという想いを持っています。酪農家として、町のために何が出来るか、常に考えながら暮らしています。

「ピロロフェス」もその一つですが、他にも例えば小学生の受け入れなどを行うことで、広尾町は酪農が盛んで、多くの酪農家が町内にいることを子どもたちに知ってもらい、そして故郷に誇りを持ってもらえると嬉しいですね。

(亜希さん)もうすぐ子どもが生まれるので、この豊かな自然のなかで、のびのびと育てたいですね。あとは、彼から最初に牧場をやりたいと聞いたとき、「自分たちの牧場で採れた牛乳を使って、加工品を作りたい」と思って、研修先も、自社牧場で加工も手掛けているところを選びました。今すぐとはいかないですが、いつか乳製品の加工や販売を手掛けるお店を開ければと思っています。

 

有難うございました。

 

 

 

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<自然環境>

広尾町は、北海道十勝管内の最南端に位置し、東は太平洋、西は日高山脈の山並みに囲まれていて、その山系に源を持つ6本の河川が海に注いでいる。このような環境のなかで、キャンプ場や博物館を有するシーサイドパーク広尾ではオオバナノエンレイソウが咲き誇り、黄金道路沿いの海岸は、釣りやサーフィンを楽しむことが出来る。

気候は、十勝管内では最も暖かく、昼夜の寒暖差も比較的少ないなど、海洋性気候の影響を受けて温暖な気候である。

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<生活環境>

コンビニやホームセンター、各種商店などにて日常品を購入できるほか、鮮魚店や水産加工店など、海の町ならではのお店も揃っている。

医療関係では、広尾町国民健康保険病院のほか、クリニック、歯科がそれぞれ2か所ある。

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広尾ファミリークリニック(内科・循環器科・小児科)の院長・平野寿孝さんは、長崎県出身で、知り合いとの縁がきっかけで、隣町の大樹町に移住。その後大樹町でのクリニックを経て、2014年に広尾ファミリークリニックを開業した。

 

<冬の生活環境>

11月から4月までは、最低気温が氷点下になるので暖房が欠かせない。10月と5月は、氷点下にこそならないものの、寒い日が多く、暖房が必要となる。ただし、北海道の住宅は一般的に断熱性能が高いため、暖房さえつけていれば室内は暖かく、快適に過ごすことが出来る。

広尾町の降雪量は、12月から4月までで約346cm、積雪の深さは最大で129cmだった。(2015年シーズン)
道路の除雪は、国道は北海道開発局、道道は十勝総合振興局、町道は町がそれぞれ行っている。町による除雪は10cm以上の降雪を基準としており、役場直営と業者への委託により行われている。

 

<TOPICS>サンタの町・広尾町

広尾海洋水族科学館とノルウェー国立ベルゲン水族館が姉妹提携したことから、サンタの国ノルウェーとの交流が始まり、1984年にはノルウェー国外初のサンタランドとして、ノルウェー・オスロ市からサンタランドに認定された。
それ以来、広尾町はサンタランドにふさわしい町づくりを進めたり、各種イベントを開催したりしている。

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北海道広尾町

  • 夏が涼しい
  • 海がある
  • 山がある
  • アウトドアスポーツが楽しめる
  • 買い物の利便性が高い
  • 交流・体験・お試し制度がある
  • 育児支援がある
  • 起業支援がある
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