やりたいことを、住みたいまちで 〜運命の地域と出会える、移住情報サイト〜

8d3ae22041757e42baf0bc690ce227a11
東海・関西
ルポ

一大産地に成長した陰に移住者あり!?(静岡県伊豆の国市)

伊豆半島のハブ

 

小学生の頃、毎年夏休みになると、海水浴に伊豆へ行ったものだった。渋滞を避けるため、早朝に東京を出て、夕方前に目的地に着く。そんな半日がかりの道程だったように記憶している。

しかし今回の訪問地である伊豆の国市は、伊豆半島の北部に位置することから、東京駅から新幹線で三島駅まで約45分(※ダイヤにより前後あり)、そして三島駅でローカル線に乗り換えて約20分、わずか約1時間余りで到着した。

東京から近距離とは言え、周辺を山に囲まれ、市中心部には一級河川の狩野川が流れるともに、また伊豆長岡温泉を有するなど、自然に恵まれた環境である。加えて伊東や沼津をはじめ、伊豆半島各所へ少し車を走らせるだけで、海を楽しむことも出来、“伊豆半島のハブ”と言える位置にある。

150721_00055

市内各所から富士山も眺望できる

また伊豆の国市は、古くは源頼朝の正室として有名な北条政子が生まれた土地であったり、江戸末期には、黒船来航を受けて韮山反射炉が築造され、お台場の砲台もここで製造されたりするなど、日本の歴史と深く関わりがある地域でもある。

dsc_0042

韮山反射炉。2015年には、韮山反射炉を含む「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録された。

そんな便利さ、自然環境、そして歴史を兼ね備えた伊豆の国市には、従来から静岡県内の他の市町村から転入してくる人が多く、ほぼ毎年転入超過が続いている状況だが、さらに新規就農したいという若者が、県内外から移住してくるケースも多いそうだ。

.

ミニトマト農家の約9割が新規就農者

 

伊豆の国市の主要農作物は苺とミニトマトで、この二つで同市の農業出荷額の大半を占める。もともと苺生産が盛んな地域であり、「紅ほっぺ」というブランド種が有名だが、近年は静岡県全体をあげて「きらぴ香」という新たなブランドを成長させようという流れになっていて、伊豆の国市でも切り替えている段階だそうだ。

一方ミニトマトは、今から20年ほど前に、一反あたりの収穫高が多い作物として、一部の農家が栽培を始めたのをきっかけに、その後、年に数名の新規就農者を募っては、取扱い農家を増やしていった。そしてついに2015年度には、一つの産地として成立すると呼べる目安と言われている、取扱高10億円を達成するに至った。

KONICA MINOLTA DIGITAL CAMERA

こうしてミニトマトの一大産地となった伊豆の国市だが、前述の経緯もあって、取扱い農家の約9割が新規就農者だと言う。

静岡県では、市役所、農協、地元農家と連携しながら、農業を始めたいと考える未経験者に対して、1年にわたって実践研修を受けながら農業技術や経営ノウハウを習得するとともに、就農時も土地の調達など、各種支援を受けることが出来る、「がんばる新農業人支援事業」を実施しており、同事業等を通じて伊豆の国市で新規就農した人は、現在までに約70名に上る。

「最近は、他県でも同様の取り組みをおこなうところが増えてきましたが、静岡県は他に先駆けて2004年から実施しており、多くの新規就農者を支援してきました。また伊豆の国市で就農された方は、この12年間、誰も離農されていません。未経験からの就農はやはり不安も大きいと思いますが、今までの実績、そして気軽に相談できる先輩農家さんが多くいらっしゃるということで、安心される方も多いですね。」と伊豆の国市 経済環境部 農業商工課の小坂高一郎さん(写真)は、新規就農者の状況についてそう説明する。

dsc_1445

また一般的にはどれだけ作っても、必ず売れるとは限らないので、特に新規就農時は収入面での不安も大きい。しかし伊豆の国市では、農協が全量を買い取ってくれるので、栽培に集中することが出来、新規就農者の経済面の不安も軽減しているとのことだ。

.

.

決め手となったのは先輩就農者の存在

 

そこで実際に伊豆の国市で新規就農した人に話を聞かせてもらうことにした。

静岡市で生まれ育ち、地元の教育関連の企業で働いていた久保田尚徳さん(写真)は、当時、子どもとの時間がなかなか取れないことに悩んでいた。

「前職は仕事で夜が遅くなることも多く、子どもとの時間がなかなか取れませんでした。そこで、日中の仕事をしたいと考えて、農業もその選択肢の一つとして検討しました。」

そして転職活動の一環として、新規就農者向けのイベントに参加した時に、地元静岡県の「がんばる新農業人支援事業」を知り、2009年に伊豆の国市での就農を決意した。

「県下の各市町村の中から伊豆の国市を選んだのは、やはり実績ですね。伊豆の国市で同事業を使って新規就農された先輩農家さんが、その時点で既に20名近くいらっしゃり、さらには失敗した方や離農された方がいないという話を聞いて、心強く感じました。実際就農してからも、先輩農家さんや近隣のハウス農家さんに、農業のことはもちろん、暮らしのことでも、困ったときには、すぐに相談出来、非常に助かっています。」

dsc_0099

また奥さんの存在も大きいと言う。

「サラリーマン時代は、仕事のことを妻に相談するなんてことはありませんでしたが、今は一緒にやっているので、いろいろと相談に乗ってもらっています。なかなかパートさんには相談出来ないようなことも相談できるので、有り難いですね。」

こうして移住から7年が経ち、現在は3人のお子さんとの時間も十分に取れ、楽しく暮らしている。

「晩御飯は一緒に食べますし、寝るのも、私の方が早いくらいです。(笑)また上の子二人は男の子なので、カブトムシを採ったり、川で遊んだり、自然の中でわんぱくに育ってくれています。私は市街地で育ったので、こういう環境に憧れていたこともあり、うらやましいくらいですね。」と嬉しそうに語ってくれた。

//////////////////////////

 

農林水産省の調査によると、この10年で就農者の平均年齢は約3歳上昇するなど高齢化が進み、その結果、就農者人口も約100万人減少しているという。(「2015年 農林業センサス(速報値)」)

その一方で、近年、食の安心・安全に対する関心の高まりや、人間らしい生活回帰といった価値観の多様化を受けて、新規就農する人、そして新規就農者を募る地域が年々増えつつある。

新規就農したいと考えている人は、首都圏からのアクセスも便利なので、まずは一度伊豆の国市へ足を運び、そして同じように移住してきた先輩農家さんに、いろいろ話を聞いてみるのも良いだろう。

同じ境遇だったからこその、実体験に基づいた話を聞くことが出来るに違いない。

 

伊豆の国市HP内「移住・定住のご案内」 http://www.city.izunokuni.shizuoka.jp/seisaku/ijuu/ijuuannnai.html

藤森雅彦さん

藤森雅彦さん

 

2011年に横浜から伊豆の国市に移住して、新規就農した藤森雅彦さん。なぜ移住しようと思ったのか、なぜ就農しようと思ったのか、その理由から、現在の暮らしに至るまで、伊豆の国市での就農ライフについて語っていただきました。

 

伊豆の国市にいらっしゃるまでは、どちらにいらっしゃったのですか。

清水市(現・静岡市清水区)で高校時代まで育った後、大学進学をきっかけに千葉の大学に進学しました。そしてそのまま東京で就職し、直近は横浜に住んでいました。

 

どんなお仕事をされていたのですか?

何度か転職を繰り返したものの、一貫してIT関連の仕事に長年従事してきました。

 

IT関連と農業は全く異なるお仕事のように思えますが、なぜ農業をやろうと思ったのですか?

仕事面と生活面、それぞれに不安があったことが大きかったですね。

仕事面では、IT業界は日進月歩で次々に新しい技術が出てくる世界ですが、加齢につれて、だんだん新しいことを吸収する力が衰えていきます。したがって、若いうちは良いですが、いつまでも続けられる仕事ではないなという不安がありました。

また生活面では、1年のうち3分の2は終電で帰宅するような日々だったため、子どもとの時間がほとんど取れませんでした。

そこでIT関連以外で、子どもとの時間をきちんととれる仕事を探している時に、静岡県が実施している新規就農者向けの見学会があることを聞きつけて、参加することにしました。

 

見学会では、農業に対してどんな印象を受けましたか?

それまでも家庭農園をやっていたので、路地栽培についてはなんとなく想像できましたが、見学会で初めてハウス栽培の様子を見て、計画から、施設管理、そして生産に至るまで、フローがしっかりしていることに驚きました。ある種プログラミングにも通ずるところも多く、そのような意味では、すんなり農業の世界に入ることが出来るのではないかと思いました。

dsc_1471

 

実際に就農して、いかがですか?

プログラミングに似ている反面、もちろん自然を相手にする以上、思い通りにいかないことも多々あり、農業の難しさというか、奥深さを感じています。

そうしたなかで現在は、伊豆の国市としても力を入れているミニトマトを栽培しています。ミニトマトは、他の作物と比べると栽培しやすく、新規就農する人にとって、作りやすい品種です。

また伊豆の国市では、新規就農者向けに研修制度や、独立時の支援制度がしっかりしているとともに、同じように新規就農した先輩方が多くいらっしゃるので、新規就農しやすい地域だと思います。

ハウス農家が集まるエリアなので、他の農家さんと日々交流出来る。

ハウス農家が集まるエリアなので、他の農家さんとも日々交流しながら、お互いに切磋琢磨している。

 

お子さんとの時間は取れるようになりましたか?

上の子は女の子で小学校2年生、下の子は男の子で幼稚園の年中になります。普段は夫婦で農作業をしていますが、子どもが家にいるときは、妻は子どもの面倒を見ています。畑と家が近いので、その時々の状況に応じて、臨機応変に対応出来ますし、子どもたちが学校帰りや塾に行く前に、畑に寄っていくこともよくあります。

また周りには山や川がありますし、車をちょっと走らせれば、海にもすぐに行くことが出来るので、自然環境も抜群ですね。夏休みには、伊豆半島各所を家族旅行したりもしています。

子どもとの時間を増やしたいという想いで、こちらに移ってきたわけですが、想像以上に家族との時間が増えて、嬉しい限りですね。

 

それでは最後に今後の抱負を聞かせてください。

まずは本業であるミニトマトの生産を軌道に乗せることが先決ですが、もう少し余裕が出てきたら、ミニトマトを使って加工品を作るなど、せっかく食に関わっているわけですから、いろいろなことに挑戦していきたいと思います。

 

有難うございました。

img_1613

 

<自然環境>
伊豆半島の北部、田方平野のほぼ中央部に位置し、市の東側には箱根山系の山々が峰を連ね、西側には城山、葛城山といった山がそびえ、そして平野部には南北に狩野川が流れる。

年平均気温は16度前後で、年間降水量は比較的少ないため、穏やかで過ごしやすい温暖な気候である。

150721_00055

150331_0156

 

<生活環境>
地区ごとに大型スーパーがあるほか、国道沿いにもさまざまな店舗が軒を並べているので、大半の生活必需品は市内で手に入る。また市内各所には、農産物直売所(写真)や無人販売もあるので、地元産の安全な食材も、手軽に購入することが出来る。

150729_0001

医療面では、高度医療機能を有し、静岡県指定の災害拠点病院でもある順天堂大学医学部附属静岡病院(写真)をはじめ、県内医師数第1位、県内病院数第3位(※人口10万人あたり / 2015年度)と、静岡県内トップクラスの医療環境である。

%e9%a0%86%e5%a4%a9%e5%a0%82

0件東海・関西
Im area toukai

静岡県伊豆の国市

  • 冬が暖かい
  • 山がある
  • アウトドアスポーツが楽しめる
  • 温泉を楽しめる
  • 二地域居住に便利
  • 医療・福祉施設がある
  • 買い物の利便性が高い
  • 農林水産業従事への支援がある
  • 育児支援がある
  • 住宅支援がある
  • 生活支援がある
8d3ae22041757e42baf0bc690ce227a11

ルポ

一大産地に成長した陰に移住者あり!?(静岡県伊豆の国市)

口コミ

0件

この自治体の移住情報へ

記事一覧に戻る