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「日本一寒い町」の、あったかい人たち(北海道陸別町)

一面が、絶景の雪景色。反射的にゲレンデがとけるほど恋したい気分になるのは、筆者の世代が故か。移住ナビの編集者として「日本で一番寒いまちの、日本で一番寒い季節で暮らすってどんなだろう」という疑問の答えを求めて、今回は雪原の北海道 陸別町にやってきた。

道の駅オーロラタウン93りくべつ。案内図にも「冬は日本一寒い街」の文字が。

「日本一寒い町」たる所以は、アメダスによる観測記録のほか、北海道陸別町しばれ技術開発研究所による高度な観測機器を用いての独自観測も行っており、特徴的な寒さを観光資源に活用するために町をあげて取り組んでいるという。例えば”耐寒”イベントを風物詩とした「しばれフェスティバル」では毎年数多くの観光客がその「寒さ」を求めて賑わいを見せており、自動車やエアコンなどの家電メーカーは「陸別町で大丈夫なら全国どこでも大丈夫」という触れ込みに魅力を感じ、新商品の性能テストやモニター実施等でしばしば陸別町を訪れるのだという。筆者が現地で地域の方からお話を伺って何より驚いたのは、会話の中で温度に「マイナス」をつけず、逆に0度以上の日に「プラス」とつけて気温を表現していることだった。

しばれフェスティバル バルーンマンションの様子

そんな寒さを楽しみながら生活をしている陸別町で出会ったのは、暖かい人と人との繋がりだった。地域おこし協力隊として陸別町に移住してきた木原さんは、生まれて初めての一人暮らしがこの町だそうだ。

「出身は神奈川で、大学院で先生から紹介されてこの町を知り、移住を決断しました。地域おこし協力隊ということで最初に面接を実施するのですが、副町長や現在の上司の方自ら関東まで面接に来て頂き驚いたのを覚えています。移住後は生活に慣れるまでに苦労もあったけれど、買い物中、ドライバーを探しに歩いていたら近所の電気屋が声をかけてくれて貸してくれたり、本当に人が近いなって実感しました。」(木原さん)

左から陸別町総務課の清水遊さん、移住体験中の奥野さん、地域おこし協力隊の木原佑輔さん

移住定住の促進についても、地の利を活かした独自性の高い取り組みが多いという。
「陸別町は人口約2,500名のちいさな町ですが、良い意味で寒さや自然を活かした情報発信や事業推進を進めています。例えば、日本一の耐寒生活体験事業。「寒さに耐え、楽しむ」をコンセプトにした移住体験です。また陸別で就労予定の単身移住者向けに食事付きの住宅を整備しました。入居期間は最長3年ですが、期間内に公営住宅や賃貸等へ移る方が多く、移住検討者と移住者の循環を促しているんです。陸別町は農林業従事キッカケでの移住者が多いことからも、首都圏の新規就農者向けフェア等に出展することも多いですね。」(清水さん)

冬の極寒さえも楽しみに変えながら、人と人との繋がりを大切に暮らしている陸別町の皆さん。
移住を考えている多くの人にとって、一度足を運んで見て欲しいと強く実感する出会いがあった。

坂井友子さん(カフェ&うつわtomono 店主)

坂井さんのご出身はどちらなんですか?
私は新潟生まれの新潟育ちで、大学は書道科に進みました。あちこちの展覧会を見て回るうちにカフェに興味を持ち始めて。その当時から陶芸も始めていたので、自分で作った器を使ったカフェがやりたいなって思うようになったんです。そんな大学生のときに、あの阪神大震災をテレビで見て衝撃を受けて。やっぱり自分が心からやりたいことをやるべきだと実感しました。

それが、地方移住のキッカケになったんでしょうか。
一度は大学院に進学したけれど、そんな想いからも海外に目を向けて、マリ共和国へ。が、赤土の感じに耐えられずすぐに帰国しまして(笑)、地元新潟へ向かう列車からの車窓を見て、改めて日本の景色の素晴らしさを再認識しました。その後も南の島やら長野やら、国内外のあちこちに移住を経験した後、ずっと独学だった陶芸をしっかりやろうと、新潟県長岡市である方に師事しました。

凄い、波乱万丈な人生!ここ陸別町には、どんなご縁で?
長岡で陶芸の修行に勤しむ中、腰を据える生活の拠点は、なんとなく北海道が良いなって。個人的に移住先として人気のあるところは嫌だなって思いつつ、田舎暮らしの本を持って移住先の候補を転々としていた中で、陸別町の存在を知りました。で、実際に行ってみて一番いろんな意味で対応や環境が良かったのがここだったんですね。

「日本一寒い町」に移住するって、やっぱり覚悟とかも必要でした?
いやいや!むしろ家族3人で秋頃に移住してきたのですが、陸別町が日本一寒いだなんて全く知らずに来たので、来てからビックリの連続でしたよ。古民家で生活し始めたんですが、窓一面にビニールシートが貼ってあって。部屋が暗くなるし、意味がわからないなあと思って移住した秋のうちに全部取ってしまいました。そして迎えた冬のある日、朝起きたら寝ている頭の上に雪をかぶってましたからね(笑)

流石!陸別って感じですね(笑) 移住してからの感想はいかがでしたか?
陸別町に移住してからここが3軒目のすみかですが、主人が大工さんから林業に転職したり、私自身も子育てやアルバイトをしながら、町の陶芸教室を利用させてもらって作品を焼いてもらったりしていました。3年前に念願のカフェをオープンできたって感じです。色々なところを転々としてきたけれど、陸別町はとにかく人があたたかいなって感じています。私が住んでいる小利別地域は、町の中心地からも少し離れていて、地域みんなが愛してこの地域に根づいている…そんな感じです。田舎ですが人との距離感もあたたかい感じで凄く過ごしやすいです。

お子様の教育環境とか、坂井さんご自身のライフスタイルはどんな感じでしょう。
保育所から中学生の子供達は、スクールバスの時間が決まっているので凄く予定が組みやすいですね。私自身はカフェに加えて、陶芸の体験教室や習字の教室を開催したり、今はサッカーの審判がめっちゃ楽しいです!田舎に住んでいてもインスタやブログで毎日の生活や言葉を発信することができていて、とても充実した日々を過ごせています。

エンジョイ感、とても伝わってきます(笑) 最近はいわゆる文化系・芸術系の学校からも、進路に悩む方も多かったりしますよね。
そこはもう常々感じることがあるんですが、自分で自分を開発していくことが大事と思っています。田舎に行けば行くほど目立つところってあって。カフェもそう、陸別にあるから目立ってるんですよね。時間の使い方もこんな環境だと自分に最も合うリズムが掴みやすいし、どこに住んでいようと、何をしていようと、発想の転換が大切かなって思います。

移住ナビをご覧頂いている方に、メッセージをお願い致します。
住めば都ってよく言うけれど、住む場所によっても価値観は大きく変わると思います。何よりも、自分の人生、自分で楽しくしていこう!というスタンスが大事で、都会であれ田舎であれ、環境や人のせいにだけはしちゃいけない。心を柔軟にするために、いろんな物事の原因結果を自分自身に追求していくことで、より楽しい生活が送れると思います!

 

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金子信行さん(株式会社陸別町振興公社 代表取締役)

金子さんは陸別町に移住して30年超ということで、移住者的には大先輩になりますね。
陸別に移住して早34年目になります。生まれは埼玉ですが、実家は千葉県です。若い頃からバックパッカーで、ユースホテルを転々としていたんだけど、企業に就職したものの、大好きな旅に関わることがしたいな、と思って。30歳の時に宿業を始めようと決意したんです。

一念発起ですね。数ある田舎町の中でも、なぜ陸別だったのでしょう?
宿業をやろうと決めた後、雑誌で陸別町の小利別という部落にある、廃校の教員住宅を活用した宿泊体験というのを見かけたんだよね。それで、「ここで宿泊業をやりたい!活用できないのか」って問い合わせをしたのがキッカケです。当時の町長さんがふたつ返事でOKをしてくれて、それで移住を決意したと。

廃校を活用した宿泊業、ワクワクしますね。宿泊業っていろんなやり方があると思うのですが、決め手は何だったんですか?
観光地でないところで、学校の校舎を使ってやるということにすごく魅力を感じたんです。もちろん、当時は陸別町が「日本一の寒いまち」だなんて全く知らなかったわけなので(笑)、いざ初めてから最初は大変でしたよ。経済的なこともあって、当初部屋の暖房は無しにしていたんだけど。外がマイナス30度を超えてくると、当時の校舎は断熱環境も整っていないのでマイナス15度位になるわけです。

…それはなかなかサバイバルな宿泊施設ですね(笑)
でもね、人は湯たんぽがあると寝られるんですよ(笑) そんなこんなで初めた宿だったのだけど、逆にそれが当時若者たちに「面白い!」と口コミで評判になったりね。その後、町内のコテージの一角を町から貸してもらえることになって移転し、田舎暮らしをしたいという相談を外から受ける機会が増えていく中、当時高齢で廃業を考えていたタクシー業を担うことになったりして。今でも全国で一番小さなタクシー会社と思うけど、スクールバスの委託なんかも受けて、なんとか経営としても成り立つようになりました。

チャレンジングなエピソード、ありがとうございます。今後の展望はいかがでしょう。
今は道の駅 物産館の運営だとか、特産品の開発を地域おこし協力隊と皆さんと一緒になって取り組んでいたり。今後はなんといっても、こうした新しい、田舎町ならではのチャレンジをしたい!という方を増やして、次代に継承していきたいなと思っています。

陸別町への移住に興味を持たれる方に、メッセージをお願いします!
そうですね。「ここでどうしても骨を埋めるんだ!」という感じで物凄い覚悟を決めて移住する、というのは、人によっては辛いこともあるんじゃないかな。あまり力を入れすぎずに、先ずは旅に来てみる。現地の人と話して見るなど、気軽に行動してみたら良いと思いますよ。

坂井さん、金子さん、ありがとうございました。

陸別町は、北海道足寄郡にある「日本で一番寒い町」として有名な町だ。

<観光>
人気の観光スポットには、「銀河の森 天文台」が挙げられる。星空にやさしい街10選にも選ばれており、夜の絶景を求めて若者もよく訪れるそうだ。また、ふるさと銀河線りくべつ鉄道は鉄道ファンにこよなく愛されており、雪国とは思えない豊富な観光資源が印象的。

ふるさと銀河線りくべつ鉄道 オススメは気動車運転体験Sコースだそう

 

<特徴>
地元商工会が中心となって設立したコミュニティーセンター「ぷらっと」は、町民アンケートの結果要望の大きかった整骨院や薬局、居酒屋等を構えた施設として町の中心に根付いている。地域への移住者は、第1次産業(特に町の主要産業である酪農関係)への従事者が多く、新規就農・起業支援や町営の無料職業紹介所、町内就業に伴う移転費用の一部助成などを実施している。

ぷらっと広場 外観

<交通>
東北海道の中央に位置し、女満別、釧路、帯広の各空港からも近く、観光地へ至る道路網も整備されている。車での所要時間はおおよそ以下の通り。
・帯広から・・・・一般道で2時間、高速道路利用で1時間45分程度
・札幌から・・・・一般道で6時間、高速道路利用で4時間30分程度

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北海道陸別町

  • 夏が涼しい
  • 山がある
  • アウトドアスポーツが楽しめる
  • 買い物の利便性が高い
  • 交流・体験・お試し制度がある
  • 農林水産業従事への支援がある
  • 育児支援がある
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「日本一寒い町」の、あったかい人たち(北海道陸別町)

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